一年数ヶ月前のお話しですが、私の母の左目が急に見えなくなりました。
右目は十数年前に失明しており、見えている方の左目です。
見え方は、うっすら?ぼんやり?
何とも本人じゃないので表現しがたいのですが、ほんの少しの光は見えるとのこと。
それでも歩くこともままならず、家の中全てにおいて誘導しなくてはいけませんでした。
急遽仕事を休んで眼科に行きましたが、眼球そのものには異常は見当たらず、見えない原因は分かりませんでした。
思い返すと二週間程前、整形に母を連れて行った時、私の車から降りてすぐに駐車場のタイヤ止めにつまずいて転んでしまったんですよね。
ほんの少しの間、母の姿から目を離したほんの一瞬の出来事でした。
幸いに大きな怪我はなく、頭も打っておらず、整形受診の前でしたので、転んだことを告げてレントゲンも撮ってもらいました。
骨折がなかったのが、奇跡なくらいです。
『良かったね〜』
なんて言ってほっとしていたのですが…
まさかそれから2週間後に目が見えなくなるなんて…
目そのものに異常はなくても、体全体に衝撃を受けたことで、どこかの神経に異常をきたしたのでは?
という勝手な判断です。
三年前にてんかんを発症しているので、目が見えないことが脳のどこかに関係しているのでは?と思い、CTとMRIも撮りましたが、明らかな原因は分かりませんでした。
何日か後の夜のこと、血圧を測るのが朝晩習慣になっている母がいつものように血圧を測り始めました。
補聴器は既に外しており、聞こえない、見えないという状況の中でです。
どうやって結果を知り得るのだろう…と思い見守っていると、案の定私の方へ向かってきました。
表示されている数字をどのように教えてあげれば良いのか…
とっさに私は母の手のひらに数字を書いてあげたのです。
『あ、分かるよ6かい?』そうそう
『4だね』うんうん
と、数字を理解してくれたのです。
聞こえない、見えない状態でも何とかして伝えたいと思ったことが伝わった瞬間でした。
そんな母が今現在、病に伏せ入院しています。